ナイキ・ヴェイパーフライの考察
◾️ラン 流し×12本+45分ジョグ(湖岸芝生)
通常はジョグ→流しという順番で行うことが多いが、今夜は先にレーシングシューズ(ナイキ・ヴェイパーフライ4%、アシックス・ソーティマジックLT)で流しをした後に、トレーニングシューズ(アシックス・GT1000)に履き替えてジョグ。
先に速い動きで骨盤・脊柱リードの動きのスイッチをしっかり入れ、それをジョグで身体に染み込ますイメージ。
特にヴェイパーフライ4%はシューズ自体が身体の前傾を促す構造になっているので、今日の狙いにはハマったと思う。
ソーティは自分の身体できちんと前傾姿勢(重心位置を足の支持点よりも前に送り続ける姿勢)を作れればそのフィット感や路面とのダイレクト感で気持ち良くスピードが上がるのを実感できる。
昨日の マラソンMGCを観ていて、ほとんどの男子選手がナイキ・ヴェイパーフライnext%を履いていたのも、トップスピードの8割から9割までの力で一定ペースで走り続けるマラソンにおいては、シューズに重心を前方へ誘導される状態に身を委ねるような感覚で、かなり脚の力を温存出来ることがレース後半でも活きてくるのだと思う。
もちろん、シューズが重心の前方移動を促すことに対して、骨盤前傾位を保ったまま動けるだけの腸骨筋の筋発揮能力や、そこからくる大腰筋・ハムストリングスの遠心性/伸張性収縮が活性化されていることが大前提で、そこがクリア出来ていないとシューズ本来のポテンシャルも活かしきれないというのは、この半年程ヴェイパーフライ4%をレースやトレーニングで使ってみて感じたところ。
昨日のMGCで女子選手に着用者が少なかったのも非常に興味深い。
そもそもシューズが2分50秒〜3分/kmでマラソンを走ることを前提に設計されているので、女子選手のペースではシューズの旨みが出切らず逆にミッドソールの素材が大変柔らかくシューズの不安定な挙動が目立ってくることによるデメリットが大きくなってくるというのもあるのだろうか。
女子選手の方が関節や靭帯自体の柔軟性が高い傾向があり、着地でミッドソールを変形させてカーボンプレートが踵を押し上げる機構を得るまでに、接地で得られる床反力を身体の方で吸収してしまうことでタイミングがあわず使いこなすのにハードルを高くしているのかもしれない。(あくまで推論)
ちなみにヴェイパーフライがまだ市場に現れる前ではあるが、女子のマラソン世界記録保持者(女子単独レース)のメアリーケイタニー選手は、アディゼロ匠戦3(薄型でフラットなソールパターン)で2017年のロンドンマラソンで世界記録を更新している。
(ポーララドクリフ元選手の世界記録2時間15分25秒は男子のペースメーカーが同走。彼女が履いていたシューズはナイキ・ストリークシリーズで今のヴェイパーフライに繋がる系譜のシューズ。)
トライアスロンやデュアスロンでの使用を考えると、バイク後のラン勝負という意味で、上述の腸骨筋やハムストリングをいかに温存出来るかというのが重要で、バイクのポジション(懐に余裕を持たせる)や機材(特にクランク長)も大切な要素になってくる。
小柄で体重も軽い自分の場合は、そこがバイクセッティングでクリアするのが難しく悩みどころではあるのだが、、、。
ただ希望があるとすれば、足部のアライメントが最高に整っているという条件がクリア出来れば、自分も含めて多くの人が履きこなせる確率はグッと高くなるのではないかと感じている。(筋膜経線上の足部から腸腰筋への繋がりからみたコア活性化という点であり、そこが機能的な骨盤前傾位を促し、大腰筋やハムストリングスの強力な伸張性収縮を可能にする結果、ヴェイパーフライの構造的利点を活かせる可能性があるのではみている。ちなみに、シューズを活用して、コアに刺激を入れたかったというのが、今日のヴェイパー流し→ソーティ流し→GT1000ジョグトレーニングという狙い。ヴェイパーフライのインソールはオルソティックス=処方箋インソールにしてみた。)